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解説

請求書のデータ化とは- 紙・PDF・手書きをデータにする3つの方法と、データ化の後に効く自動化

AI社員総合センター 編集部

5分で読めます監修: 高澤皆生

AI社員メディア請求書のデータ化とは紙・PDF・手書きをデータにする3つの方法と…帳票読取・データ入力

取引先から届く請求書が紙・PDF・FAXに分散し、経理担当者が1枚ずつ会計システムへ入力している。月末に入力とチェックが集中し、締めが遅れる。請求書のデータ化を検討する会社の多くが、この状態から出発します。

データ化の方法は、手入力(自社またはBPO)・OCR・AIの3つに大別されます。どれが向くかは請求書の「様式の揺れ」で決まり、定型が大量なら従来型のOCRでも機能しますが、取引先ごとに様式が違う・手書きが混ざるという状態では、読み取った後の手直しが残って「結局人が直す」ことになりがちです。

本記事では、3つの方法の違いと選び方、電子帳簿保存法との関係をどう考えるか、データ化の後に効く自動化、当センターの公開事例を整理します。OCRという技術そのものの解説は「AI OCRとは」、製品の実名比較は「AI OCRの比較7選」、書類電子化の全体像は「ペーパーレス化の進め方」に譲ります。

目次
  1. 請求書のデータ化とは - 保存のスキャンと、業務で使えるデータは別物
  2. データ化の3つの方法 - 手入力・OCR・AIの違い
  3. 電子帳簿保存法との関係 - 保存の要件と、データ化の方法は分けて考える
  4. データ化の後に効く自動化 - 突合・支払・仕訳の下書き
  5. 公開事例 - 手書き書類からの請求業務を、人は最終確認だけに
  6. よくある質問(請求書のデータ化)
  7. まとめ - 様式の揺れで方法を選び、後工程まで繋げる

請求書のデータ化とは - 保存のスキャンと、業務で使えるデータは別物

請求書のデータ化には2段階あります。1段階目は、紙をスキャンしてPDFなどの画像として保存すること。2段階目は、その中身(取引先・金額・日付・品目・振込先)を項目ごとのデータとして取り出し、会計システムや支払業務で使える形にすることです。

「データ化した」と言いながら効果が出ない場合、ほとんどは1段階目で止まっています。PDFが溜まっていても、金額や支払期日を人が読んで転記しているなら、業務の手間は紙のときと変わりません。本記事で扱うデータ化は2段階目、つまり業務で使えるデータにするところまでを指します。

データ化の3つの方法 - 手入力・OCR・AIの違い

手入力は、確実ですが件数に比例して時間が増え、締め日前に負荷が集中します。外部のBPOや入力代行に出す方法もありますが、往復の時間がかかるため、支払サイトの短い請求書では間に合わないことがあります。

OCRは、決まった位置の決まった文字を読み取る技術です。同じ様式の請求書が大量に届く場合には有効ですが、取引先ごとに様式が違うと読み取り位置の設定が取引先の数だけ必要になり、手書きや欄外の注記で読み取りが崩れた分は人が直すことになります。

AIによるデータ化は、様式が違っても「どこに何が書かれているか」を内容から判断して読み取ります。手書きの混在や新しい取引先の様式にも設定の作り込みなしで対応しやすく、読み取れなかった箇所は人に聞き返す設計にできます。当センターでは、こうした読み取りから後続の処理までを役割として担うAIを「AI社員」と呼んでいます。

従来型OCR と AIによるデータ化(AI社員) の比較表
比較項目従来型OCRAIによるデータ化(AI社員)
得意な請求書

定型・大量

(同じ様式の請求書が繰り返し大量に届くケース)

取引先ごとに様式が違う、手書きやFAXが混ざるケース

事前の設定

様式ごとに必要

(読み取り位置の定義を様式ごとに作り込む)

貴社の取引と用語を覚えさせる。様式ごとの位置定義は不要

読めなかったとき

人が直す

(エラー分を人が目視で修正する運用になりやすい)

不明箇所を人に聞き返し、確認結果を次回から反映する

データ化の後

別の仕組みが必要

(突合・支払・仕訳は別のシステムや人手で行う)

単価表との突合や支払データの下書きまで続けて任せられる

電子帳簿保存法との関係 - 保存の要件と、データ化の方法は分けて考える

請求書のデータ化を調べると、必ず電子帳簿保存法の話に行き当たります。混同しやすいのですが、電子帳簿保存法が定めているのは「受け取った請求書をどう保存するか」の要件であり、「中身をどうデータ化するか」の方法は定めていません。

つまり、保存の要件を満たす置き場所(対応した会計ソフトや文書管理の仕組み)の話と、業務を楽にするためのデータ化の話は、別の問題として考えるのが整理しやすい形です。保存要件の具体的な適用は取引の形態によって異なるため、顧問税理士や会計ソフトの提供元に確認することをおすすめします。

本記事が扱うデータ化は後者、つまり「読んで・写して・突き合わせる」業務の手間を減らす側です。保存要件を満たすことと、業務が楽になることは、どちらか一方では完結しません。

データ化の後に効く自動化 - 突合・支払・仕訳の下書き

請求書がデータになると、その先の業務が繋がります。まず突合。注文書・納品書・請求書の三者で金額と数量が合っているかの照合は、データが揃えば自動化できます。目視のダブルチェックで担保していた部分が、全件照合に変わります。

次に支払処理。支払期日・振込先・金額の一覧化と、支払データの下書き作成までが自動化の範囲です。承認と実行は人が行います。

最後に仕訳の下書き。過去の仕訳のパターンから勘定科目の候補を付けた状態で会計システムへ渡します。確定は経理担当者が行います。

逆に言えば、データ化だけを導入して後工程を手作業のまま残すと、効果は入力時間の削減分にとどまります。どこまで繋げるかを先に決めてから、データ化の方法を選ぶのが順序です。受領から支払までの業務全体は「請求書受領・支払処理をAI社員に任せる」で詳しく解説しています。

データ化はゴールではなく入口。突合・支払・仕訳まで繋げたとき、月末の残業が減るという形で効果が出ます。

公開事例 - 手書き書類からの請求業務を、人は最終確認だけに

建設業(従業員50〜100名規模)では、協力会社から定期的に届く手書きの作業指示書を、事務担当が1枚ずつ読み取り、単価表と突き合わせて納品書・請求書を作成していました。手書き指示書のPDFを読み取り、品目・数量を単価マスタと自動で突き合わせて請求書のドラフトまで作成するAI社員を導入した結果、人は最終チェックと承認だけを行う体制になり、締め日前に常態化していた残業は大幅に解消しています。

製造業(中堅メーカー)では、手書きが混在する送り状を人が読み解いて業務システムへ振り分けていました。以前OCRを試したものの結局人が直す運用になっていたのが、読み取りだけでなく内容を判断して正しい場所へ仕分け・格納するAI社員に変えたことで、「直す作業」自体が減っています。

どちらも、取引先や協力会社の書き方を変えずに始めている点が共通です。詳細は導入事例ページに匿名で掲載しています。

よくある質問(請求書のデータ化)

請求書のデータ化とスキャン保存は何が違いますか?
スキャン保存は紙をPDFなどの画像にして残すことで、業務の手間は変わりません。データ化は、取引先・金額・日付・品目といった中身を項目ごとのデータとして取り出し、会計システムや支払業務で使える形にすることを指します。効果が出るのは後者です。
手書きの請求書や、取引先ごとに様式が違う請求書でも読み取れますか?
様式の揺れへの対応はAIの得意領域です。決まった位置を前提にする従来型OCRと違い、内容から「どこに何が書かれているか」を判断して読み取るため、手書きの混在や新しい取引先の様式にも対応しやすくなります。読み取れなかった箇所は人に聞き返す設計にします。
電子帳簿保存法に対応するには、どのデータ化ツールを選べばよいですか?
保存要件を満たす置き場所(対応した会計ソフト等)の話と、業務を楽にするデータ化の方法は別の問題として整理するのがおすすめです。保存要件の具体的な適用は取引の形態によって異なるため、顧問税理士や会計ソフトの提供元にご確認ください。

まとめ - 様式の揺れで方法を選び、後工程まで繋げる

請求書のデータ化は、保存のためのスキャンではなく、業務で使えるデータにするところまでを指します。方法は手入力・OCR・AIの3つで、取引先ごとに様式が違う・手書きが混ざるなら、内容から判断して読み取るAIが向きます。

電子帳簿保存法は保存の要件の話としてデータ化と分けて整理し、具体的な適用は顧問税理士に確認する。データ化の効果は突合・支払・仕訳まで繋げて初めて出る。この2点を押さえると、道具選びで迷いにくくなります。

OCR技術の解説は「AI OCRとは」、製品の実名比較は「AI OCRの比較7選」、受領から支払までの業務は「請求書受領・支払処理をAI社員に任せる」をご覧ください。

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