解説
AI OCRの比較7選- 手書き・帳票・図面に強い代表サービスと選び方の3つの軸
AI社員総合センター 編集部
約6分で読めます監修: 高澤皆生

紙やFAX、PDFで届く書類の読み取りを自動化しようとAI OCRを調べると、多くのサービスが見つかり、どれを比べればよいかで迷いがちです。
本記事は、代表的なAI OCRサービス7つを実名と公式出典リンク付きで中立に紹介し、比べるための3つの軸——読みたい書類、読み取った後にどこへ渡すか、提供形態——を整理します。特定の製品をすすめるものではなく、優劣を断定するものでもありません。
AI OCRとは何か・従来OCRとの違いといった基礎は「AI OCRとは」で解説しています。本記事はサービスの比較と選び方に絞ります。
目次
AI OCRサービスの3つのタイプ
代表的なAI OCRサービスは、性格の違いで3つのタイプに分けると比べやすくなります。第一は、手書き文字の読み取りを強みとして掲げるタイプです。申込書・アンケート・作業日報など、手書きが多い書類のデータ化を主な用途とします。
第二は、帳票・文書管理のしくみと一体で提供されるタイプです。請求書や注文書などの帳票を読み取ってデータ化し、文書の保管・仕分け・他システムへの受け渡しまでを同じサービスの中で扱えることを特徴とします。
第三は、システム開発に組み込んで使うクラウド基盤型です。大手クラウド事業者が提供する文書読み取りのAIサービスで、自社システムや業務アプリに読み取り機能を組み込みたい場合の選択肢になります。画面から使う製品ではなく、開発者向けの部品として提供される点が前の2タイプと異なります。
同じ製品が複数のタイプの性格を併せ持つこともあります。まずは自社の使い方——現場の担当者が画面から使うのか、システムに組み込むのか——でタイプを絞ると、候補が数個まで減ります。
代表的なAI OCRサービス7選 - 実名・公式出典で中立に整理(実名は出典リンク方式・中立)
以下は、国内で広く知られている代表的なAI OCRサービス・文書読み取りサービスの一例です。いずれも各社公式サイトの表記に基づく一般的な紹介で、優劣を断定するものではありません。対応する書類の種類・出力形式・連携範囲・料金体系は製品ごとに異なるため、最新の情報は必ず各社の公式サイトでご確認ください。
出典: 各サービスの公式ページ(機能の詳細・最新の料金・無料トライアルの有無は公式でご確認ください)。紹介文は各社公式サイトの表記に基づく編集部の要約で、AI OCR・文書読み取りに関わる代表的なサービスの一例です。
- DX Suite(AI inside株式会社) ── 手書き帳票などに対応したAI OCR・データ化のクラウドサービス。
- Tegaki(株式会社Cogent Labs) ── 手書き文字の読み取りに対応したAI OCRサービス。
- invoiceAgent AI OCR(ウイングアーク1st株式会社) ── 帳票・文書の電子化とAI OCRによるデータ化を行うサービス。文書管理のしくみと一体で提供される。
- RICOH 帳票電子化サービス/RICOH Cloud OCR(株式会社リコー) ── 帳票の読み取り・データ化を行うクラウドサービス。
- スマートOCR(株式会社インフォディオ) ── 帳票などの文書のデータ化に対応したAI OCRサービス。
- Azure AI Document Intelligence(マイクロソフト) ── 文書からテキストやデータを抽出するクラウドのAIサービス。システム開発に組み込む基盤型。
- Document AI(Google Cloud) ── 文書の読み取り・データ抽出を行うクラウドのAIサービス。システム開発に組み込む基盤型。
選び方の3つの軸
候補を絞る軸は3つあります。第一の軸は「読みたい書類」です。手書きの申込書や日報が中心なのか、請求書・注文書のような帳票が中心なのか、図面や仕様書のような特殊な書類まで含むのかで、適したサービスが変わります。各社の公式サイトには対応する書類の種類が掲載されているので、自社の書類と突き合わせます。
第二の軸は「読み取った後にどこへ渡すか」です。読み取り結果をCSVで出して人が取り込むのか、会計・販売管理・基幹システムへ自動で流し込みたいのかで、必要な連携機能が変わります。読み取りだけ自動化しても、その後の入力・照合が手作業のままでは業務全体は軽くなりません。渡し先まで含めて設計するのが要点です。
第三の軸は「提供形態」です。現場の担当者が画面から使うクラウドサービスか、自社システムに組み込む基盤型かで、導入の進め方も必要な体制も異なります。基盤型は柔軟に組み込める一方、開発の担い手が必要になります。
- 01対象の書類を洗い出す書類の種類・月間枚数・手書きの有無・原稿の品質を書き出します。
- 02渡し先を決める読み取り結果をどのシステムのどこへ入れるかを先に決めます。
- 03タイプと候補を絞る手書き特化・帳票一体型・基盤型からタイプを選び、候補を2〜3個にします。
- 04実際の書類で試す無料トライアル等で自社の実物の書類を読ませ、精度と手直しの量を確かめます。人が担う
- 05確認の仕組みを決める金額など重要項目は人やルールでの確認を挟む設計にしてから本運用に進みます。
読み取り精度は原稿の品質(手書きのクセ・かすれ・傾き・解像度)に左右されます。カタログの数値ではなく、自社の実物の書類で試すことが選定の決め手になります。
比較の前に確認したいこと - 読み取りの後工程はどれも範囲外
どのAI OCRを選んでも共通する点があります。AI OCRが担うのは「紙・PDF・画像を文字データに変える読み取り」までで、読み取った後の「どの台帳のどこに入力し、過去データと突き合わせ、次の書類を作り、例外を人に振り分けるか」という業務そのものは範囲外だということです。
多くの現場で時間を奪っているのは、読み取りよりもその後の転記・照合・台帳更新・書類作成です。当センターでは、この後工程を自社の手順に合わせて引き受けるAIを「AI社員」と呼んでおり、読み取りはAI OCR、後工程はAI社員という併用を現実的な分担として整理しています。実際に、手書き混在の送り状を読み取って業務システムへ自動仕分けする事例のように、読み取りから後工程までを一連で自動化する形があります。
AI OCRの比較検討と同時に、「読み取った後の作業に毎月何時間かかっているか」を書き出しておくと、AI OCR単体で足りるのか、後工程まで含めて自動化すべきなのかを判断できます。役割の違いの詳細は「AI OCRとは」の比較表で解説しています。
AI OCRの比較で決まるのは「読み取り」まで。業務全体が軽くなるかは、読み取った後の入力・突合・書類作成をどう設計するかで決まる。
よくある質問(AI OCRの比較)
- AI OCRサービスはどう比較すればよいですか?
- 「読みたい書類」「読み取った後にどこへ渡すか」「提供形態」の3軸で絞り、最後は自社の実物の書類を無料トライアル等で読ませて精度と手直しの量を確かめるのが確実です。カタログ上の精度の数値は原稿の品質で変わるため、それだけでは決められません。
- 料金はどのくらいかかりますか?
- 読み取り枚数・項目数・ユーザー数などに応じた料金体系が一般的ですが、金額はサービスと契約形態で大きく異なります。本記事では特定の金額を示さず、最新の料金は各社の公式サイトでの確認をおすすめします。
- 手書きの書類にはどのサービスが向いていますか?
- 手書き文字の読み取りを強みとして掲げるサービス(本記事の手書き特化タイプ)が候補になります。ただし手書きのクセやかすれの度合いで精度は変わるため、自社の実物の書類で試したうえで、重要項目は人の確認を挟む設計にするのが安全です。
- AI OCRを入れれば書類の入力業務はなくなりますか?
- 読み取りは軽くなりますが、読み取った後の入力・突合・書類作成は別途残ります。この後工程まで自動化したい場合は、読み取りをAI OCR、後工程をAI社員が担う併用の形があります。役割の違いは「AI OCRとは」で比較表にまとめています。
まとめ
代表的なAI OCRサービスは、手書き特化・帳票一体型・クラウド基盤型の3タイプに大別でき、「読みたい書類」「読み取った後の渡し先」「提供形態」の3軸で絞ってから、自社の実物の書類で試すのが選定の王道です。優劣の断定はできず、最新の機能・料金は各社公式サイトが正です。
そして、どのサービスを選んでも読み取りの後工程——入力・突合・書類作成・例外対応——は残ります。ここが重い場合は、読み取りはAI OCR、後工程はAI社員という併用まで含めて設計すると、書類業務全体を通して軽くできます。
AI OCRの基礎と従来OCRとの違いは「AI OCRとは」、読み取りが重い業務別の解説は受発注・経理・図面の各記事で、それぞれ詳しく解説しています。

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